2012年7月30日月曜日

第26回 矢島カップ Mt.鳥海バイシクルクラシック 1stステージ


[アクティビティ]TT
[メニュー1]8km

いよいよ開幕である。五輪ではない。ロックンロール・オリンピックでもない。
私の年間ターゲットレース。矢島カップである。
文章にちょっと厨二的バイアスかかってます。痒くなったら読むのをやめることをおすすめします。

このレースには苦い思い出が多い。
一昨年は夏バテで5kgも体重が減って1:30台の大失敗レース。
去年は1stステージ、アップ不足(装備不備という自業自得)とチェーン落ち。と2ndステージは土砂崩れの影響でコース短縮のためタイムは自分の中で参考扱い。まあ順位も30位くらいだったんだけど。

私は鳥海山を恐れている。それはごまかしきれない事実だ。
1stのコースは夢に出てきたことすらある。

ごらんあれが鳥海山だよ(真ん中の白い稜線)

暑くなった。道路の温度計は31ドを目撃したので、それ以降努めて見ないようにした。
事前に暑さは予想されたものだったのでCAMELBAKと保冷剤を凍らせて持っていき冷却に使うことにした。

アップ10min上げ、7min L4?L5、10min下げ。暑いので短めに。背負ったCAMELBAKからとけた水をチューチュー吸うよママン。
謹製の冷却装置スーツ型の中身だけ使う

ところでCAMELBAKでの冷却はちょっといまいち。普通にすると背中から下しか冷やせない。腰を冷やすのは自分的には少しこわい。首周りと脇の下が効果あるように思えた。無理やり首に載せたりしたが使いづらい。水が飲めるのはよいが体に当てるという意味では保冷剤のほうがフレキシブル。保冷剤とはゼリー状のやつね。来年はもう少し考えよう。

アップは上々。冷却システムを背負ってスタート地点へ。
到着するとちょうど番号が呼ばれていた。俺です!

並んでいる間も冷却。周りでそんなことやっている人はいなかった。弱い人間はなんでもやる。
いや…この会場のどこかにもう一人冷却に余念が無い人がいるはずだ。白モジャの人、@0yamaさん。

いつも思うのだが周りはみんな速そうに見えるな。チューチュー。
スタートまで小動物のように神妙にチューチューするよママン。

自分がどの位走れるのか全くわからない。
スタート台に登る直前に、お世話になった冷却システムを切り離し、いそいそと道端に置く。
大会運営の人が「すわっ体調不良でDNSか」と私を注視する。OK大丈夫オーライ謝謝。自分でも驚いたのだが、この時私は係の人に向かって親指を立てていた。恥ずかしい。

スタート台に登る。気持ちが否応なしに上がる。しかし緊張はしていない。どこまでいけるか。
下を向いていると風を感じる。向かい風だ。往路向かい風、復路追い風。OK想定通り。今度は心の中で親指を立てた。恥ずかしい。
大きく息を吸ってもっと大きく息を吐く。スタート10秒前カウント。空を仰ぐ。どうか勇敢に走り切れますように。

目標は12分30秒。

ピッピッピッピーン「ゼッケン585もけけ選手がスタートしました」とアナウンスを聞きながら、ああスタートしたんだなぁと他人ごとのように思った。

「最初は抑える、そして抑える。その後抑える」これがTTの掟

鳥海山の1st走った人ならわかると思うけど、TTにしてはアップダウンがある。スタートしてすぐ緩やかな登り、そして長い直線。そこまではひたすら抑える。
ここで息があがってしまっては失敗レースになるし何度も失敗レースは経験している。今回は勇気を振り絞って踏まない。前走者もあえて見ない。下を向く。
エアロポジションは問題ない。夏油の時よりも明らかにポジションがでている。

直線後はドンと登る。ここで過去二度人生最大心拍数を記録した。もう心拍計はつけていないが、そこまで心拍が上がっていないのはわかった。よし。

坂の中盤でフロントをインナーに落とす…落ちないっっ。また機材トラブルか…。
ええぃままよアウターで全部行ったる、と思った瞬間パチンという音とともにインナーに落ちて、初心者にありがちな急にクルクル状態。
気を取り直してギアをかけて踏む。もりっと出力が上がるのを感じる。推定350Wで頂上を超える。

ここからは下り。
ジャッとアウターに…外落ち。なぜなんだぜ?アップ前の調整ではバッチリだったのに。チェーンルブつけ過ぎなんかな。
ギアを見ながら操作していたので完全に外落ちする前に戻して、何度かスカした後、なんとか載せる。
大怪我にはなってないはずと言い聞かせて踏む。一気に11T。

グーと下ったあと、このコース最難関の下りUターン。
まだ早すぎるかな?と思う頃あいから慎重にスピードを落とす。
実は私にしては珍しく、ここをイメージして数日前から練習を行っていた。もっと狭いところで。
練習の成果を出すんだ、と言い聞かせて右ターン。

右ターンはすごく違和感があって、練習時にいっそ一度右に出て左ターンしたほうが良いんじゃないかと思ったくらいだ。でも後走者がいたらまずいのでやめておいた。

スイッと曲がれた。しかも勝手に手が動いて気づいたらいつのまにかインナーへきちんと落としていた。
よしっ、やったぞと少しじんわりくる。

ここから登り返し。今思えば去年はここでチェーンを落としたんだった。そのことは走っているときは頭になかった。
すこし抑えぎみに登る。前走者が視界に入る。前走者は速い人のようだ。さらに前の人はここまでで何人か抜かしている。

少しずつ詰める。乳酸がザンザン出てくるのを感じながらぎりぎりのラインで走る。同じ筋肉を使い続けないように、へなちょこダンシングをするだよ。辛抱。

復路での頂上を迎える前にエアロポジションに自然とトランスフォームしていた。これは非常にいい傾向である。自分自身の力でレースをコントロールできている。

ここからが本当の勝負である。鼻先をエクステンションバーにくっつける様にしてエアロポジションを取る。
はじめてエアロヘルメットの効果を感じ取ることができた。耳の外側に空気の壁を感じることができるよ、姫姉さま。多分に勘違いだろうけど。

直線に入る。乳酸はマックスながら、出し惜しみはしない。もうフルスロットルだぬ。ヨダレもマックス。
前走者を一気にパスする。しばらくしてから抜き返される。ガッツある人だ。最後の下り前で再び抜き返す。サンキューベリーマッチ。おかげさまでおしっこチビリそうになるくらい踏ん張れた。
最後の下りはめちゃくちゃ踏んだけどエアロポジジョンは保てた。ゴール。出し切った。
イメージどおり走れたし、13分は切ったなぁと思う。

息を整えながらダウン。暑い。少し手が震えている。何度か「よくやったなぁ」とつぶやく。
自転車を置いて麦茶を飲む。謹製の冷却システムで体を冷やす。とけちゃってるや。でもなんだか体から離すのが嫌だったので身に着けてウロウロしてた。これはお守り的なものなのだ。

僅かな日陰を見つけて座り込む。少し具合が悪い。こりゃ体に悪いよぉ。
知人がきて表彰台の一番上を指す。ハハハ。ちょっとムッとしておちょくるなという仕草をしたらどうやら暫定トップだったらしい。
驚いて洗濯バサミリザルトを見に行くと既に2位に落ちていた。タイムは12分14秒。これでは優勝は無理だということは知っている。どこまで落ちるかなぁと思いつつ元の席へ戻りチューチュー。ぬるい。

ここらあたりで「@0yamaさん、スタートしました」とアナウンスが聞こえたので慌てて見に行くが、もう風になってしまわれていた。謹製の傘袋冷却システムも見れなかった。残念。

若干もぞもぞしながら確定リザルトを待つ。暑さとは別なジリジリ。1stステージの順位は特に目標としてあげていなかったんだけど貰えるもんはなんでも貰う。それが俺のスタイル。

名前は3位で呼ばれた。ウホ。想定外の出来の良さ。夏油で2秒差で敗れた方にも一矢報いたらしい。
1stステージの3位入賞

ポディウムの一角をへなちょこな私が汚すのはなにやら愉快ではある。ニヤニヤな感じ。
あとディスクホイール投入のコストパフォーマンスを立証できてよかった。
Super-9を返品していたらこんな結果はなかったと思う。相談に乗っていただいた方々に御礼を言いたい。

しばらくチャンピオンクラスの方々のアップを眺めながら、ミスターエロダイナミクスこと@0yamaさんを探したが見つからない。まさかジュッっと逝ってしまわれたのでは…。
後に伺った話によると、身体のかわりに後輪がジュッっと逝ってしまわれたようで、黄色い車にヘイ・タクシーしてた模様。残念。往路6:03というタイムをたたき出していたようで、そのままいけば12分切ってたのではないかとワクテカしました。
またセクシー着替え中におじゃましてお話させていただいて楽しかったです。あと変態Orcaは得も言われぬ迫力があった。遠路はるばるお疲れ様でした。


【今日のポイント】
・冷却システムはたぶん効果あり
・水は往路で2回、復路で1回飲んだ
・ディスクええでええで
・チャンピオンの方々を見るにTTポジションは高い
おそらく快適性を重視してのことだろうが付け入る隙はある
さすがに優勝した大きい人のポジションは素晴らしかったけど
あのタイムは無理ゲー
・TTはおもろい。特に鳥海山のコースプロフィールは難易度が高い
(と思う。他の大会参加経験ほとんどないのでアレですが)
・来年は夢の11分台か
・モノホンTTマシン…ゴクリ

【装備】
Look 595 TT仕様
LW G3 with Continental Competition / Super-9 with S4000 RS
ROTOR 50-34T / Campagnolo 11S 11-23T

【おまけ】
TTスキンスーツは袖を自分で切り落としました。ファッション的な観点からファッションリーダは決断しました。あの距離あの気温だと長袖でも大丈夫だったような気もする。
 ジョキジョキ
 トレンドからすると切り過ぎかも…
アームウォーマーに…はならない

2 件のコメント:

Oyama さんのコメント...

おつかれちゃんでした!

ちなみにあのコース、僕はチェーン落ち対策で50Tx11-23Tを前変速なしでカバーっす。
来年はでるレース絞ってまたこよう思う今日この頃でおすし。

もけけ さんのコメント...

どもども。ええ!oyamaさん意外に踏めるんですねー。
つーか俺が踏めないのか。大変参考になります。
お疲れ様でした!